高校・大学卒業後東京の設計事務所に就職しまして、27才(昭和60年)4月に株式会社伊藤工務店に入社常務取締役に就任、10月に結婚、平成元年4月に双葉町大字細谷字陳場沢227-20に本社機能移転、30才の時に専務取締役に就任、楢葉事務所はそのまま存続、営業、双葉町・東京電力・双葉町地方水道企業団への営業、このころから地元企業として、地元密着で営業、事業展開をする。
平成5年、35才の時に代表取締役社長就任、株式会社熊谷組さんよりいわき市郷ヶ丘平南台の住宅団地工事を受注し、平成10年まで工事を遂行する。この際に平南開発の郷より一区画の土地を購入。これが、震災・原発事故後に、現在の自宅になっております。
まさかここに住むとは思いませんでした。平成24年12月25日からいわき市郷ヶ丘4丁目に定住しまして、早や6年が過ぎようとしております。
平成元年10月に双葉町より災害復旧工事を初めて受注、平成4年11月に東京電力(株)福島第二原子力発電所より小口工事を初めて受注、平成9年11月東京電力(株)福島第一原子力発電所より初めて工事を受注、そして、東京電力(株)福島第一原子力発電所正門前整備工事を受注しており、震災・原発事故2日前に正門前にモニュメントを設置する予定でしたが、設置出来ずに工事完了してしまいしました。
本当に有り得ないことが起きてしまったと思いました。
1号機運開40周年のモニュメント設置工事だったのにと、今更ながら驚くばかりでした。
双葉町からは中野地区の道路工事の完成予定でしたが、津波で全て流されてしまいました。
㍿熊谷組福島第一原子力作業所3・4号機耐震補強深層工事においては資材ハウス・休憩所が全て津波で流されてしまい、当時深層工事内に5人が地下で作業しておりましたが緊急脱出の対応が良かったため生き埋めにならずにすみました。
前田建設工業㍿さんからの工事は1F発電所南側重要設備周辺斜面安定対策工事の作業中でした。仮設材が散乱して手が付けられない状況下で逃げることが精一杯でした。
平成23年3月11日のその夜事務所から犬を救助して自宅に戻り大きな余震が断続的に続いていましたが、3月12日AM6:00に双葉町の防災無線で川俣町に避難して下さいとアナウンスされました。
急いで手荷物を持って川俣町に避難したことが思い出されます。そして、弊社の社員は朝まで復旧作業に従事して、バラバラになってしまいました。そののち、自衛隊に救助されたそうです。
それから、埼玉県新座市の家内の実家にお世話になりまして、3月31日にいわき市に移動しました。
震災・原発事故後第一原子力発電所復旧工事の為に平成23年3月31日に四倉町神谷にアパートを2棟借り、社員宿舎として4月2日から事業再開しました。
株式会社熊谷組さんからの要請で4月~6月末日まで稼働しましたが、このまま継続しても放射線の線量オーバーで従事できなくなるという判断のもとで、弊社は一時休業にしますと全社員に解雇通知をしました。
本当に辛かったです。
平成23年4月2日から1F東北地方太平洋沖地震被害復旧工事・1F緊急対策工事、平成23年5月7日から2F震災復興初動対応工事、仮設防潮堤設置工事・周辺防護柵補修工事、そして、平成23年10月より再び、事業再開。この時に戻って来てくれたのは伊藤専務、小坂常務、熊、遠藤、この4人です。
途中辞めた社員もおりましたが、この4人は我が社の生き残りです、彼らがいなかったら今の伊藤工務店は存在できなかったと思います。大変心の支えになりました。その時に協力してくれた勝山工業勝山広幸社長にも大変感謝しております。
その後、杉内社長の紹介で広野町の地に土地を求めることが出来この地を第二の拠点として出発することが出来ました。
杉内社長には大変お世話になりました。
広野町の地に平成24年11月20日新社屋・社員寮工事着工するに至りました。
平成25年2月28日に念願の新社屋・社員寮完成、本格的に平成25年3月1日から事業開始・社員寮使用開始する。
平成25年3月から本格的に事業を再開する運びとなりました。
平成25年3月から広野火力の場内整備工事の応援。
平成25年4月から株式会社熊谷組さんの1F工事に本格的に復帰参入、このころから人の増員を徐々に進めて来ました。
平成25年11月から双葉町モデル除染に参入、平成26年3月から浪江町の本格除染27年9月までで、終了しまして、平成27年1月から前田建設工業さんの双葉町中野地区仮置場の工事に入る、平成27年4月から前田建設工業さんの本格除染と拠点除染に参入、現在は、平成30年から前田建設工業さんの家屋解体等除染工事と中間貯蔵施設造成工事を施工中です。前田建設工業さんには大変お世話になっております。
株式会社熊谷組さんからは東京電力1F構内整備工事と中間貯蔵施設進入路改良工事を施工中です。熊谷組さんにも大変お世話になっております。
環境省福島環境事務所より家屋解体工事を元請けで受注しまして平成30年10月31日に無事に竣工しました。
双葉町さんからは環境整備委託工事と道路災害復旧工事、福島県富岡土木事務所から道路維持補修業務、落石防止工事、双葉地方水道企業団より水道管布設替工事、町道鴻草・寺松舗装本復旧工事アトックスさんよりスクリーニング場基礎工事、TPTさんから木戸川パイプライン工事、現在施工中です。
お蔭様もちまして、震災・原発事故後、完全に事業再開することが出来ました。
これは、ひとえにこの場にいる皆さま方の御かげと感謝する次第です。
維持管理・更新・エネルギー・海外新興国・PPP(官民パートナーシップ)
水道・下水道・電気のライフラインの復旧・メンテナンスフリーの維持管理
将来に渡って維持管理
震災・原発事故後の除染・家屋解体・空地の利用方法
田んぼの営農、田んぼ、空地の太陽光発電の利用、バイオ発電所の利用
将来に渡って自らの事業内容、特徴などを発信出来る体制を強化し、技術力を向上させ、競争力を高め、他社に無い差別化で勝ち抜いていける会社で次世代へバトンタッチ出来る環境整備を積極的に行うことでスムーズな継承を実現したいと思っております。
また、若い人が働きたいクリーン会社・永続的に働きたい環境がこれからの会社を存続へ繋げると思っております
本日は、皆様にお守りをお配りさせて頂きました。
このお守りは双葉町相馬妙見宮初発神社にて、高倉神主様により一人一人御祈祷していただいたお守りでございます。
弊社の50周年と私の60歳の還暦を兼ねて御祈祷させて頂きました。
創業以来今日に至るまで、この間順調に成長いたしましたのもひとえに皆様方のご支援の賜とここに深く感謝いたします。
これを機に社員一同、心新たにして精進いたす所存でございます。
何とぞ今後ともお引き立てを賜りますよう、お願い申し上げます。
おわりに皆々様の益々のご健勝とご多幸を心からお祈り申し上げ、謹んで御礼のご挨拶とさせていただきます。